高齢者の悩みや、普段の生活の満足度に関する調査はこれまでに度々行われており、
その結果は、内閣府のHPなどで紹介されています。
もし本当に詳しく知りたいという方は、一度そちらのHPの方をご覧ください。
ただ、移動していただくとわかると思いますが、
非常に沢山の調査結果があり、またファイルもいくつかに分かれているので、少々読むのが大変かと思います。
そこで今回の記事では、実際に高齢者の方はどのような悩みを抱えているのか、
そして、高齢になってから悩まないためにどのような備えをしておけば良いのか、要点を絞って詳しくまとめていきたいと思います。
高齢者の悩みに関する調査の結果について
内閣府HPを見ていただければわかると思いますが、高齢者を対象とした何らかの調査は毎年必ず行われています。
昨年の平成29年に行われた
「高齢者の健康に関する調査」が最も最新のものであり、
こちらも非常に参考になる内容になっていると思いますので、興味がある方は是非ご覧になってみてください。
そして今回は、特に高齢者の悩みに関する調査ということで記事を書いていますが、
これについては、
- 平成26年
- 平成21年
- 平成16年
- 平成11年
と、5年おきに4度にわたって行われている
「高齢者の日常生活における意識調査」
の内容が非常に参考になると感じました。
この調査によれば、過去4度の調査にわたり、
高齢者の悩み(「将来の日常生活への不安」を参照)の第1位~第3位までは変わっておらず、以下のようになっています。
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- 第1位:自分や配偶者の健康や病気のこと
- 第2位:自分や配偶者が寝たきりや身体が不自由になり介護が必要な状態になること
- 第3位:生活のための収入のこと
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第1位、第2位については、特に健康面に関する悩みであり、高齢になるほど健康面での不安を抱えている方が多くなるということが分かります。
ただ、筆者が注目したいのは、第3位の「生活のための収入のこと」という悩みです。
現在は一般企業に務める多くの方が65歳で定年を迎えることとなっていますが、その後の収入に不安を抱えていらっしゃる方は多くいらっしゃいます。
それではこの先、そういった老後の収入面で困らないためにはどのような対策を立てておけば良いのでしょうか。
まずは、誰もが必ずもらうことになる「年金」についてみていきましょう(現在すでに受給されている方は、改めて年金制度を確認するという意味でお読みになってください。)
年金の平均支給額と、繰り上げ、繰り下げ受給について
老後に生活していくうえで、まず第一に重要になるのが「年金」です。
まず、20歳以上の国民は必ず国民年金へ加入することが義務付けられていますが、
会社員の方は、その国民年金に加え厚生年金保険へも加入することとなり、あとあとの月の支給額もその分増えることとなります
では、実際に年金は月にいくらもらえるのかというと、
最新(2018年)の発表によると、現在の年金の平均支給額は
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- 国民年金:約5万5千円
- 厚生年金:約14万7千円
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となっています。
[aside type=”orange”]※補足
国民年金の支給額は、その制度上は月額「64,941円」となっていますが、これは40年間保険料を支払った場合の満額です。免除などが承認された期間や未納の期間がある場合は減額となります。そのため、現在は実質満額よりも約1万円少ない方が多いということが分かります。
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ちなみに、現在の制度では国民年金を原則65歳から受給できることとなっていますが、60歳からの繰り上げ需給や、70歳からの繰り下げ受給などの制度もあります。ただ、例えば60歳から需給される場合は1万円近く減額となり、その支給額はその後亡くなるまで変わりません。
実際、60歳から繰り上げ需給をされたり、70歳からの繰り下げ受給をされる場合、その支給額がどのくらい変化するのかというのは以下の表を参考にしてください。これは1年単位での変化となっていますが、実際には月単位で額が変化します。
またもう一度申し上げますが、その支給が始まる際に決定した金額はその後一生変化しませんので、いつ貰い始めるかというタイミングは非常に重要です。
年齢 | 支給率(%) | 年間支給金額 | 月額年金額 |
60歳 | 70 | 545,510円 | 45,459円 |
61歳 | 76 | 592.268円 | 49.356円 |
62歳 | 82 | 639,026円 | 53,252円 |
63歳 | 88 | 685,784円 | 57,149円 |
64歳 | 94 | 732,542円 | 61,045円 |
65歳 | 100 | 779,300円 | 64,942円 |
66歳 | 108.4 | 844,761円 | 70,397円 |
67歳 | 116.8 | 910,222円 | 75,852円 |
68歳 | 125.2 | 975,684円 | 81,307円 |
69歳 | 133.6 | 1,041,145円 | 86,762円 |
70歳 | 142.0 | 1,106,606円 | 92,217円 |
また、表を見るとお分かりいただけますように、上記の金額は40年間保険料を支払った場合の満額の数値ですので、実際の月額の支給額は表の値よりも1万円近く低くなる方が大半だと思います。そのため、未納の期間などがあり、さらに繰り上げ受給などを選択されると、受給額は4万円を切るかもしれません。
また、文字を赤くした支給率の部分を見ていただきますとわかると思いますが、繰り下げ受給をした場合には支給率がUPし、最大で1.42倍となります。
そのため、長生きをするほど、繰り下げ受給を選択される方がより多くの年金をもらうことが出来るということになるのです。
老後の生活を乗り切るためには「貯蓄」が何より大事
もちろん、定年退職以降も何らかの職を持つという部分が1つ大切なことかもしれませんが、
老後の収入面で不安を抱えているという方は、まずは今から節約し、少しでも後々の生活が楽になるように貯蓄をしておくことが第一です。
ちなみに、国民年金自体の制度が破綻するということはおそらくありませんが、
今後、国民年金の需給年齢が原則として65歳から70際に変更されたり、支給額が現在の8割近くにまで減額される可能性は十分に考えられるといいます。
そのため、やはり何といっても、まだ仕事が元気にできるうちに、できる限りの貯蓄を蓄えておくことがなによりの「保険」となります。
そもそも国民年金だけでは、なかなか生活をしていくということは厳しいですからね…!
高齢者の悩みというより、高齢になってから悩まない為の知識についてまとめる記事となってしまいましたが、もしまだ年金を受給されていないという方は、是非参考にしてください。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)