身内に不幸があった場合、その死を悼み、祝い事や派手な生活を慎む風習が日本にはあります。
基本的には、生前親しくしてた身内が亡くなった場合に、
そこから1年の間を「喪中(もちゅう)」と呼び、祝い事などを避けるようにしている所が多いでしょう。
また、喪中に年始を迎えた際には、年賀状のやり取りは行わないのが一般的です。
ただし、中にはどうしても年賀状を出したい、もしくは相手が喪中であるにも関わらず年賀状が来て不思議に思ったという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回の記事では、実際に喪中に年賀状を出すのは良いのか?ということと、
具体的な喪中明けの時期について詳しく解説いたします。
喪中明けの時期について
まず喪中明けの時期についてですが、実は喪中に関しては1年間ということが明確に定められているわけではありません。
また、もしもあなたが喪中にある場合、亡くなった人物との関係によって喪中明けの時期も異なります。
具体的な喪中の期間については以下を参考にしてください。
続柄 | 親等 | 喪中期間 |
配偶者 | — | 12ヶ月~13ヶ月 |
父母 | 1親等 | 12ヶ月~13ヶ月 |
子 | 1親等 | 3~12ヶ月 |
兄弟姉妹 | 2親等 | 3~6ヶ月 |
祖父母 | 2親等 | 3~6ヶ月 |
ただし、これもあくまで参考の期間であり、絶対にこの通りというわけではありません。
また、基本的には2親等の相手までが喪中の範囲とされていますが、3親等以上離れている相手でも喪に服してはいけないという決まりはありません。
そして今回のテーマについて戻ってみると、
配偶者、父母、子が亡くなってしまった場合には、次に迎える新年には年賀状を出さない方が良いことが分かりますが、
例えば祖父母が2月に亡くなった場合には、次の新年で年賀状を出すというのは特に問題がないことが分かります。
また、現在では同居しているか否かというところを基準にしている方も多く、
別居している祖父母が亡くなった場合なら、例年通り年賀状を出すという方もいらっしゃいます。
以前定められていた喪中の期間について
実は現在では喪中の期間について明確な決まりはありませんが、
以前は、誰が亡くなった場合に、どれだけ喪に服すべきかというのが法律の中に記載されていました。
それが記載されていたのが、太政官布告の
「服忌令(ぶっきりょう)」というもので
明治7年から昭和22年まで、以下のように定められていました。
続柄 | 忌日数 | 服(喪)日数 |
父母 | 五十日 | 十三ヶ月 |
養父母 | 三十日 | 百五十日 |
夫 | 三十日 | 十三ヶ月 |
妻 | 二十日 | 九十日 |
嫡子(息子) | 二十日 | 九十日 |
養子 | 十日 | 三十日 |
兄弟姉妹 | 二十日 | 九十日 |
異父母兄弟姉妹 | 十日 | 三十日 |
祖父母 | 三十日 | 百五十日 |
曾祖父母 | 二十日 | 九十日 |
孫 | 十日 | 三十日 |
叔父・叔母/伯父・伯母 | 二十日 | 九十日 |
従兄弟姉妹 | 三日 | 七日 |
甥・姪 | 三日 | 七日 |
ここで「忌日数」とは、その故人が亡くなられた場合に、喪中よりもより厳しく故人を弔うのに集中するべきであるとされる期間のことを言います。
そして現在でも、故人が亡くなられてから50日の間を「忌中」とし、その間は神社への参拝などもするべきではありません。
そのため、例えば七五三等の行事で神社に参拝するのは、忌中が明けてからが望ましいとされています。
喪中でも、年賀状をもらうのは問題ありません。
通常喪中にある方は、普段年賀状のやり取りをしている方に喪中はがきを出し、次の年始には年賀状を出さないことを周りにお伝えする必要があります。
この喪中はがきは「年賀欠礼状」とも呼び、遅くとも前年の12月初旬には送るようにします。
ただし、喪中に年賀状をこちらから出すというのは良いことではありませんが、逆に年賀状をもらうというのは特に問題はありません。
例えば、年賀状を毎年楽しみにしているのに、それがもらえないというのはつらいですよね。
そのためそのようなケースでは、喪中はがきの内容の最後に例年通り年賀状を送ってほしいということを書いておくと良いとされています。
例えば、以下の書き方を参考にしてください。
最後に
こちらの記事では、喪中に年賀状を出すのは良いのかということと、具体的な喪中明けの時期について解説いたしました。
以前は、特に忌中の間は門戸を閉ざし、人に会うことすら慎まなければならないという頃もあったそうですが、
現在ではそこまで厳しいものではないものの、やはり忌中や喪中は身を慎んだ方が良いでしょう。
なお、もしも身内に不幸があった場合には、喪中はがきをだし、次の年始には年賀状を出せないことをまわりの方にお伝えする必要があると言いましたが、
例えばもしも喪中に年賀状が届いてしまった場合には、年賀状ではなく、
「寒中見舞い」として返事をすると良いとされています。
これについては別記事の方で詳しく解説していますので、気になる方はそちらをご覧ください。
>>>【解説】喪中に年賀状をもらうケースにおける返事の仕方について
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。