【大叔母（大伯母）】とは、意味としてはあなたの祖父母の姉妹を指す言葉です。
そして、漢字の表記の仕方に違いがあるのは、その人物が祖父母の姉か妹かによって使い分けがされているためです。
具体的には、
あなたの祖父母の姉のことを
「大伯母」と表記し、
あなたの祖父母の妹のことを
「大叔母」と表記します。
では、実際に大叔母、大伯母に該当する人物は「親等」でいうとどれだけあなたと離れていることになるのか、
今回の記事では、あなたと大叔母、大伯母との関係性について詳しく解説いたします。
大叔母（大伯母）とあなたの親等について
まず初めに「親等」とは、
「あなた」と「あなたの親戚」との間の距離を表す尺度のようなもので、
この親等の範囲によって、法的に可能になる手続きなどが存在しています。
例えば「親族」という言葉はごく当たり前のように使われているものですが、これは「親戚」という言葉とは意味が異なります。
具体的には「親族」と言う言葉は法的に意味がきちんと定義されており、
民法第725条に以下のように記載されています。
第七百二十五条 次に掲げる者は、親族とする。
一 六親等内の血族
二 配偶者
三 三親等内の姻族引用元：民法
まとめると、あなたの配偶者に加えて、6親等内の血族、そして3親等内の姻族があなたにとっての親族です。
ここで
- 「血族」とは実際にあなたと血の繋がりのある親戚のことを言い、
- 「姻族」とは血の繋がりはないものの婚姻関係によって親戚になった人物のことを言います。
例えば、あなたの配偶者の親は姻族であり、あなたの子供の配偶者も姻族です。
それではここで、実際にあなたの親戚がそれぞれ何親等に該当するのか、その家系図を見てみましょう。
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この図では、青のボックスが血族を表わし、黄色のボックスが姻族を表しています。
また、それぞれのボックスの上の数字があなた（本人）から見た親等です。
そして、今回のテーマである大叔母、大伯母ですが、こちらは祖父母の姉妹ですので、4親等であるということがお分かりいただけるかと思います。
すなわち、大叔母、大伯母は4親等（6親等内）の血族ですので、あなたの親族と呼べる人物です。
大叔母（大伯母）との結婚は可能？
現実的な話、大叔母と結婚するということは基本的にないと思いますが、法律上はあなたと大叔母との結婚は可能です。
ただし、祖母の兄弟姉妹である大叔母との結婚は可能ですが、同じ年代の人物であるあなたの祖母と結婚することはできません。
というのも今の日本の法律では、近親者同士の結婚について、結婚できない範囲が以下のように定められています。
第七百三十四条
直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。（後略）
引用元：民法
ここで「直系血族」とは、あなたと縦に血の繋がりのある人物のことを言い、
例えば、父母、祖父母、曾祖父母、高祖父母などの関係にある人物とは、どれだけ離れても結婚できません。
そして、重要なのはその次の「傍系血族」であり、こちらはあなたから見て枝分かれした関係にある血族のことを言います。
例えば、兄弟姉妹、おじおば、おいめい、いとこ、はとこといった関係にある方々です。
そして、大叔母（大伯母）はあなたから見て四親等の傍系血族であるため、法律上は結婚することが可能となります。
叔母（伯母）との結婚は不可ですが…
今回は「大叔母（大伯母）」についてまとめていますが、
それとは別に、あなたの親の姉妹のことを叔母、伯母と言いますよね。
しかし、先ほどの家系図をご覧いただければわかりますように、叔母はあなたから見て3親等の傍系血族であるため結婚することはできません。
しかし以前は
- 「叔母」と「甥」
- 「叔父」と「姪」
の関係にある2人が結婚するということは過去に度々行われていたことで、
実は現在でも、法律婚はできませんが、内縁関係で夫婦として暮らしているような方はいらっしゃるようです。
「叔父」と「姪」と聞くとかなり年齢が離れているような印象を受けますが、
例えばあなたが男性として生まれた年に、あなたと20歳程年齢の離れた一番上の兄弟姉妹が女の子を産めば、
叔父と姪で同い年ということになりますので、これはあり得ない話ではないですよね。
そのため以前ではそういった結婚が行われていたようで、
これを「叔姪婚（しゅくてつこん）」と言います。
最後に
今回の記事では、大叔母、大伯母の意味や親等について解説しました。
ちなみに大叔母、大伯母のことを「従祖母（じゅうそぼ）」とも言います。
あまり表記する機会もないと思いますが、是非この機会に覚えてしまいましょう。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)
