「三世帯家族」と「三世代家族」という言葉はとてもよく似ていますが、それぞれの言葉が持つ意味には大きな違いがあります。
まず「三世帯家族」というのは、それぞれ世帯の異なる3つの集団が家族として同居されている形態のことであり、例えば夫婦とその子供から成る世帯に、夫の親世帯と妻の親世帯が両方とも一緒に同居するような場合が考えられます。
一方「三世代家族」というのは、祖父母世代、子世代、孫世代という3世代が同居されている形態のことであり、こちらは三世帯家族に比べると一般的です。三世代家族というのはあくまで三世代で暮らしているということになりますので、一世帯の可能性もあれば、二世帯か三世帯の場合もあります。
ただ、ここでキーワードとなるのがその「世帯」というものであり、これがどういうものかわかると、三世帯家族と三世代家族の違いがより明確にわかります。
世帯とは?
「世帯」という言葉は皆さんもよく耳にするかと思いますが、
これは「生計を共にする集団」と定義されており、
もしも「父、母、子」の3人が同居されている場合には、基本的にはその3人が同一世帯に入っていることになります。(後述しますが、同一世帯ではない場合も考えられます)
ちなみに、この世帯の情報は「住民票」に記載されているものであり、
住民票を取ると、その世帯の「世帯主」となる人物の名前と、その世帯主から見た自分の関係が「続柄」という項目に記載されています。
先ほど世帯とは「生計を共にする集団」と言いましたが、その中で生計を立てるための主な収入を得ている人物が基本的には世帯主となります。
[aside type=”pink”]もしもあなたが「父、母、長男、次男、三男」の5人家族における「三男」の立場の場合で、さらに5人が同一世帯に入っており、父が世帯主の場合には、あなたの続柄の欄には「子」と書かれます(つまり、長男、次男、三男などに関わらず続柄は「子」となります)[/aside]
ちなみに、例え「父、母、子」の3人で同居されている場合でも、先ほど申し上げましたように同一世帯ではないという場合もあります。例えば「子」がすでに社会人として収入を得ており、自分で生計を立てているような場合には「父と母」「子」という2つの世帯に分離をすることが可能です。
このように、実はたとえ同じ住所であっても、世帯というものは複数に分けることが可能となります。そのため、二世帯家族や三世帯家族という形態が可能となるのです。
[aside type=”pink”]親と子での世帯分離は可能ですが、原則として夫婦の場合には同一世帯に入ることになっています。
つまり「父、母、子」の3人家族の場合
「父と母」「子」の2世帯は問題なく可能ですが、
「父」「母」「子」という三世帯に分けるというのは、基本的にはあまり見られないケースです。
しかし、「母」もまた生計を立てるための収入を得ているという場合には夫婦間での世帯分離も可能となり
「父」「母」「子」の三世帯というのもあり得ないケースではありません。[/aside]
三世帯家族と三世代家族の違いについて
上記の「世帯」の定義が分かると、三世帯家族という言葉の意味がよくわかるかと思います。
世帯とはあくまで「生計を共にする集団」のことであり、その集団は1つの住所に2つでも3つでも問題ありません。
そのため、例えば
- 「夫と妻と子」
- 「夫の両親」
- 「妻の両親」
という三世帯家族は可能性としてあり得ますし、またこれは三世代家族でもあります。
また、
- 「夫と妻」
- 「夫の両親」
- 「妻の両親」
という三世帯家族も可能性としては考えられ、こちらは孫世代がいないため二世代家族です。
また、
- 「夫と妻」
- 「夫の兄」
- 「夫の弟」
という三世帯家族の場合には、世代としては一世代家族です。
こういった例を見ると、三世帯家族と三世代家族というのは明確に異なるということが分かるかと思います。
まとめ
今回の記事では、三世帯家族と三世代家族の違いについて解説しました。
ただ、三世帯家族というのは基本的にはあまり見られないケースだというのはなんとなくわかるかと思います。
ただし、結婚の際に夫婦がどちらかの親の家に入り、その際に世帯を別にする二世帯家族という形態はしばしばみられます。
また、三世代家族というのは、あくまで祖父母世代、子世代、孫世代という3世代から成る家族という意味でしかありませんので、世帯がどうこうという部分は関係ありません。
ちなみにですが、もしも2つの世帯を統一させて一世帯にしたとしても、その中で苗字などを統一する必要などはありません。
苗字を統一しなければならないのは同じ「戸籍」に入っている集団であり、これは「世帯」とはまた別になります。
[aside type=”yellow”]※補足
世帯とは住民票に記載されている内容であり、住民票と戸籍にはそれぞれ以下のような特徴があります。
「住民票」・・・個人の居住関係を公的に証明するための文書
「戸籍」・・・夫婦や親子の関係を公的に証明するための文書
子供が生まれると出生届を出しますが、これが受理されるとその子供は親の戸籍に入ります。
そして、その後子供が大きくなり、誰かと婚姻関係を結ぶことになると、新たに夫婦の戸籍が作られ、親の戸籍から独立します。[/aside]
戸籍と世帯の情報はよく混同されがちになってしまうため、是非そこに違いがあるということをよく覚えておいてください。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました(^^)