今の形式の年賀専用葉書(お年玉付郵便はがき)が発行されるようになったのは、戦後の1949年のこと。
ただし、年賀状そのものの歴史は大変古いものであり、1800年代にはすでに年賀状をやり取りする風習は根付いていました。
ただ、その年賀専用葉書の発行総数は2004年をピークに段々と減少の一途を辿っており、
2004年の総発行数は44億6000万枚にもなりましたが、それが2019年には25億6000万枚にまで減ってしまいました。
しかしとはいえ、20億枚以上もの年賀状を届けるのは大変な仕事ですが、実はそんな年賀状が届かない日があります。
それが、1月2日です。
1月2日には年賀状は届かないことになっており、もしも1月1日に届けられないものは1月3日に届けられることになっています。
なお、届かない日はその2日だけで、それ以外の日(1、3、4、5、6、7)では問題なく届けられます。
※年賀状は1月7日までに届くように出すのがマナーです。
ただ、なぜ1月2日に配達が行われないのかというと、実はこれには様々な理由が絡んでおり、年賀状制度を維持するというのも結構大変なことのようです。
そこで今回の記事では、年賀状が1月2日に届かない理由と、現在の年賀状に関する気になるポイントについて詳しくまとめます。
1月2日は年賀状が届かない日!その理由はなぜ?
年賀状が1月2日に届かないのは、日本郵便が正式に休みにすると発表しているためであり、
実は「2017年の1月2日から」というつい最近からその取り組みが適用されました。
この理由について日本郵便は以下のように説明しています。
1月2日については、一通でも多く元旦に年賀状をお届けする取り組み、短期外務アルバイトの確保難、年賀の取扱物数の減少等の理由から年賀状の配達を休止させていただきます。
年賀状自体の数が年々減少しているということも大きな理由の1つですが、それを仕分けしたり、配達したりする短期のスタッフを確保することも難しくなってしまったと説明されています。また、それに伴い人件費が上昇していることから、経費削減ということで2日の配達休止に踏み切ったようです。
実際、年賀状の売上予想額は、発行総数がピークだった2004年は2229億6800万円、そして2009年は1488億1310万円となっており、ピーク時に比べると実に800億円近くも減少してしまいました。今度も年賀状という風習はさらに衰退していくことが予想されるため、確かに2日の配達を無くしても問題ないでしょう。
実は、もともと1月2日は配達が休みでした
ただ、実は1月2日の年賀状の配達はずっと行われていたものではなく、
1973年までは配達が行われていましたが、1973年から2004年までは配達が行われていませんでした。
しかしその後、郵政公社化に伴う顧客サービスの向上策として2005年に2日の配達が復活し、
それから13年の間、2日だけはいつもよりも少ないスタッフでの配達作業が行われてきました。
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郵政公社化によって誕生した「日本郵政公社」は、2003年の4月1日から2007年の9月30日までの4年半存在した特殊法人です。
その後「郵政民営化」に伴い日本郵政公社は、
- 日本郵政株式会社
- 郵便局株式会社(日本郵便株式会社)
- 郵便事業株式会社
- 株式会社ゆうちょ銀行
- 株式会社かんぽ生命保険
へと移管、分割されました。
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しかし先にお伝えした通り、年賀状のピークは2004年のこと。
2日の配達を再開した翌年から年賀状の発行総数が減っていくというのは皮肉ですね。
ただ、実際の現場の声として、興味深いお話しもあります。
1月2日の配達はそもそも「顧客ニーズに応える為」という事で始めたらしいんですけど、企業の大半はお休みで年末年始は支店に留め置いて仕事始めの日に一括して配達してましたし、年賀状の大半は元旦に配り終えてしまうので1月2日に来る枚数なんてたかが知れてますし、正直「翌日1月3日の配達量が減って、配達員がちょっと楽になる」以外は何もメリットがなかったような気がします。むしろ配達員も「元旦を頑張れば翌日は休める」という、体力的な回復ももちろんあるんですが、精神的な休養がそこに入ってる事によって助かってた側面もあったような気がしますね。
引用させていただいた記事の執筆者の方は、以前その年賀状配達に関わるスタッフとしてお仕事をされていたそうなのですが、これを読むと1月2日の配達復活というのはそれほど必要はなかったのかなと思います。逆に休みが亡くなって、スタッフの方々は大変だったようですね…
配達休止に伴う効果は?
もちろん、2日にも年賀状を届けてくれるというのはサービスとしてはありがたいことですが、
今回これが休止になったことで、なんとそれだけでも10億円近い経費が削減できるということです。
ちなみに、年賀状というサービスは発行元である日本郵便株式会社にとって大事な収入源であることに間違いありませんが、
そんな年賀専用葉書は
- 2004年~2014年までは1枚50円
- 2015年~2018年までは1枚52円
- 2019年からは1枚62円
と段々と値上げされており、いかに苦しい状況であるかというのがよくわかります。
ちなみに2018年度の年賀状の価格は確かに1枚52円でしたが、
8日を過ぎると10円分の切手を張り足さなければならないという少し面倒な制度となり、
そしてついに2019年になって価格そのものが62円に値上げされました。
もう一度収益の話に戻ると、全盛期の2004年よりも1枚12円も値上げしているにも関わらず、収益は800億円近くも減少しているというのが現状です。
今度もその需要は段々と減っていくものと予想されますが、どうにかそれに歯止めをかける方法は見つかるものなのでしょうか…
最後に
今回の記事では、年賀状が届かない日になってしまった1月2日について、その背景を詳しくまとめました。
ちなみに、年賀状は1月7日までに届くように出すのがマナーとなっており、
もしもそれを過ぎてしまうような場合には、寒中見舞いとして出すようにする習わしがあります。
寒中見舞いとは、本来は厳寒期に出す季節の挨拶状のことを言うのですが、年賀状のお返事として出す方もいらっしゃいます。
詳しくは以下の記事も参考になさってください。
>>>【寒中見舞い】はいつまで出せる?形式や例文についても解説!
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました。