毎年新年になると、皆さんも親戚や親しい間柄の人と年賀状のやり取りをすると思いますが、
もしも身内に不幸があり、誰かが亡くなると、
そこから1年間は喪に服し、年賀状のやり取りを含め、祝い事や派手な生活は慎む風習が日本にはあります。
※「喪に服す」とは、故人の死を悼み、身を慎むことです。
そして一般的には、あなたから数えて2親等内の親族が亡くなった場合に喪に服すべきであるとされています。
ここで「親等」とは、「あなた」と「あなたの親族」の距離を表わす尺度のようなもので、
あなたの「配偶者」を含め、
- 1親等:親、子
- 2親等:兄弟姉妹、祖父母、孫
の関係にある方が亡くなった場合に、喪に服すことになります。
[aside type=”yellow”]※補足※
義理の関係の親族が亡くなった場合も同様です。例えば「義理の親」はあなたの1親等の親族となります。
あなたから見て、誰が何親等に該当するかというのは、以下の家系図をご参照ください。
↓クリックすると拡大されます↓
この図では、あなた(本人)と血の繋がりのある血族を青で、婚姻関係によって親戚になった姻族を黄で示しています。
数字は親等を表しており、あなたから見て6親等内の血族、3親等内の姻族を「親族」と呼びます。
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この喪に服すという風習は日本独自にみられる文化で、特に海外ではそのような風習は見られません。
そこでこちらの記事では、実際に身内が亡くなるということがあった場合の年賀状のマナーについて詳しく解説いたします。
もしも身内が亡くなることがあった場合、まずは「喪中はがき」を出します。
身内が亡くなってから1年間、喪に服している期間のことを「喪中」と言います。
そして喪中の状態にある方は、新しい年に変わる前、
遅くとも12月初旬には、年賀状による挨拶は遠慮することを伝える
「喪中はがき」を、普段年賀状のやり取りをしている相手に送ります。
この「喪中はがき」は「年賀欠礼状」とも言い、その名の通り新年の喜びの挨拶を控えることを伝えるものです。
ちなみに喪中というのは1年間というのが一般的ですが、実は絶対に1年間という決まりはありません。
また、2親等内というのも絶対の決まりではなく、
例えば「おじ」「おば」は3親等ですが、もしも亡くなった場合は喪中はがきを出す方もいらっしゃいます。
亡くなってしまった身内との関係性によってどうすべきか対応するようにしましょう。
まとめると、2親等内なら絶対、そして3親等以上でも生前仲良くしていた身内が亡くなってしまった場合には1年間喪に服すというようにすると良いでしょう。
喪中はがきの内容
次に喪中はがきの内容ですが、
- まず初めに、喪中につき新年の挨拶を遠慮することを伝え、
- 次に、誰が、いつ、何歳で亡くなってしまったのかを書き、
- そして最後に、故人が生前お世話になったお礼や挨拶を明記するようにしましょう。
例としては、以下のように書きます。
これを、普段年賀状のやり取りをしている相手に、遅くとも12月の初旬には送ります。
喪中はがきを出していない相手から年賀状が来た場合
喪中はがきを出している相手から年賀状が来ることはないと思いますが、
もしも喪中はがきを出さなかった相手から年賀状が届いてしまった場合、
その返事は「寒中見舞い」として出すようにするのが一般的です。
寒中見舞いとは、厳寒期に出す互いの近況報告を兼ねた季節の挨拶状のことを言い
松の内(門松などの正月飾りを飾っておく期間)が明ける1月8日から、立春までの間に送ります。
「立春」の日は年度によって異なる場合があり、
例えば直近5年では
- 2019年は2月4日
- 2020年は2月4日
- 2021年は2月3日
- 2022年は2月4日
- 2022年は2月4日
が立春となっています。
そして、もしも実際に寒中見舞いで年賀状の返事をする場合には、
- 寒中見舞いの言葉
- 年賀状へのお礼
- 喪中のお知らせ
- 喪中はがきを出さなかったことへのお詫び
- 締めの挨拶
などを書いて相手に出すようにすると良いとされています。
この際、おめでたい漢字である「賀」の使用は避け、年賀状ではなく「お年始状」のように言葉を言い換えるようにした方が良いとされています。
また、「おめでとう」「お喜び」といったお祝いの言葉の使用も避けた方が良いとされていますので、お気を付けください。
例としては、以下のように書きます。
「喪中」と「忌中」の違い
もしも生前仲良くしている身内が亡くなるようなことがあった場合、
年賀状のやり取りに加えて、
- 初詣
- おせち料理
- 鏡餅
- お屠蘇(おとそ:祝い酒のこと)
- 正月飾り
といった、新年を祝う意味合いのものは控えるようにします。
ただし、喪中1年間すべてそういった祝い事を控えるとなると、
例えば「七五三などの祝い事も控えなければならないのかな?」と思ってしまうところですが、
ここで重要なのが
「喪中」と「忌中」の違いです。
まず、喪中とは一般的に故人が亡くなってから1年間の期間のことを言いますが、
それよりさらに厳しく、しっかりと故人を弔うことに集中すべき期間とされるのが忌中です。
忌中は神道では故人の死後50日間、仏教では49日間のことを言い、この期間は神社などへの参拝も避けるべきであるとされています。
しかし、忌中が明ければ神社への参拝も問題ないとされているため、もしも忌中にあるご家庭では忌中明けに参拝するようにしましょう。
最後に
今回は、身内が亡くなることがあった場合、年賀状のやり取りにおいてどのように対応すればよいのか詳しく解説いたしました。
ちなみに、もしも喪中はがきを送らなかった相手から年賀状が来てしまった場合は「寒中見舞い」でお返事をすると良いと記載しましたが、
その他、
- もらった年賀状へのお返事
- 喪中の人への寒中見舞い(喪中はがきへの返事)
- 喪中と知らずに年賀状を出してしまったときのお詫び
という部分でも、寒中見舞いを送ると良いとされています。
是非この辺りのマナーをしっかりと把握しておき、いざというときに対応できるようにしておきましょう。
それでは、最後まで読んでいただきありがとうございました!